【読書感想】総理にさせられた男 中山七里

中山七里の作品を読むと、自分の安っぽさを突きつけられるから
あんまり読みたくないんだけどなあ。
今度は政治の話か。
俳優が舞台の前座でやっていた総理のモノマネが原因で、
総理の替え玉をやることになったって、そこまで似ている奴って
本当にいるのかなあと全くフィクションだって言ってるのに、
そこ突っ込んでも仕方ないのに。
そんなことしか思えないくらいに作者の幅広さに圧倒される。

この本ではいけ好かない政治家も結局はいい奴らだったと
書かれていて、政治家に対して少し好感が持てるかなと思わせてくれた。
樽見官房長官は影武者の推進者で、初めは自分のやりたいことを、
影武者を使って実行していこうと思った。でも影武者が自分の考えを
言い始めると、最初は青臭いと思いながら、議員になりたての頃の
真っ直ぐな気持ちの自分に似ていると思い始めた。

既得権益を守ることに躍起になっていた大臣たちも、
非常事態が発生して影武者がとった方針に結果的に賛同する
ことになった。影武者ひとりの責任にはさせないという思いになる。

最後は置き去りにされた彼女の将来も明るいものが用意されていて、
ハッピーエンドで良かった。

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